デリバティブとは、これまでの金融商品売買に対し、様々なノウハウを組み合わせ、新しい売買法を開発し、それを金融商品化したもの。
デリバティブは伝統的な金融取引(借入、預金、債券売買、外国為替、株式売買等)から相場変動によるリスクを回避するために開発された金融商品の総称です。
英語のDerivativesに忠実に、「デリバティブズ」と呼ばれることも多いです。
日本語では金融派生商品といいます。
デリバティブ(derivative)は、「誘導的な」「派生した」という意味となります。
<デリバティブの知識の必要性>
「デリバティブ」という言葉はここ十数年のあいだに広く一般に知られることとなりました。銀行、証券会社などの金融機関や事業会社は多様化する顧客ニーズへの対応や、自己のリスク管理・収益性改善などの目的で積極的にデリバティブ取引を行っています。
こうした金融機関や企業のみならず、私たち個人にもデリバティブが身近なものとなってきている点に、注目する必要があるでしょう。
今日では個人の資産運用ニーズに応えるべく、様々な形態でデリバティブを組み入れた、預金や債券などの個人向け金融商品がたくさん開発されています。
また、デリバティブそのものを個人でも取引することができるようになってきています。
今やデリバティブの知識は、私たち個人の資産運用に不可欠となってきていると言っても過言ではありません。
<デリバティブの利用方法>
デリバティブの利用方法としては主にヘッジングとスペキュレーションの2つがあります。
ヘッジング(hedging)株式や債券などの金融商品は、日々その価格が変動しています。
それらを将来売買しようと思っても、価格がいくらになるかわからない、あるいは、保有している資産の価値が下落してしまうかもしれない、といったリスクがあります(このようなリスクをマーケット・リスク(市場リスク)といいます)。
リスクとは将来の不確実性のことで、この不確実性をできる限り排除しようとするのがリスクヘッジの考え方です。
デリバティブは対象となる金融商品の現在および将来の一時点の金利、価格と強い関連がありますから、資産運用等においてデリバティブをうまく併用すれば、これらのリスクを一定範囲に抑えること、つまりリスクヘッジが可能となります。