瑕疵担保責任とは、売買の対象物に、通常では発見できないような欠陥があった際、売主が買主に対して負う責任。
瑕疵担保責任が生ずるためには、
第1に「隠れた瑕疵」であることが必要です。
「隠れた瑕疵」の意味として、多くの判例は、買主が取引上一般に要求される程度の注意をもってしても発見し得なかった瑕疵としています。
第2に、その瑕疵が契約時に存在していたことを要します。ただし、契約時に既に原因が存在し、例えば、壁のひびが数年後大きくなった場合も含みます。
第3に、売主は、瑕疵について無過失であっても、この責任を負います。
瑕疵担保責任による解除権と損害賠償請求権を行使できる期間は、民法では、買主が瑕疵を知ったときから1年以内と定められていますので、引渡しから、長期間経過後に瑕疵が発見された場合でも、この瑕疵が契約時に存在していたことが明らかになれば、契約の解除又は損害賠償の請求ができます。
瑕疵担保責任の具体的な内容は次のとおりです。
1:
買い主は売り主に損害賠償を請求することができる。(民法第570条)。
2:
瑕疵の程度が、売買契約の目的を達成できないほどに重大であるときは、買い主は売買契約を解除できる(民法第570条)。
3:
瑕疵担保責任を追及できる期間は、民法上には特に定めがない。
例えば契約書において「中古住宅を買主に引き渡した日から1年間だけ売り主は瑕疵担保責任を負う」と定めることも民法上は可能である。
4:
損害賠償請求や契約解除ができる期間は「買い主が瑕疵の存在を知った時から1年以内」に制限されている(これを「権利行使期間」という)。 なお、宅地建物取引業法や住宅品質確保法では、上記c)について特別な規制を設けている。
<補足>
建築請負契約における瑕疵担保責任 特定物の売買契約だけでなく、建築物などの建築請負契約についても、民法では請負人の「瑕疵担保責任」を定めて、注文者を保護しています。(民法第634条から第640条まで)。