ABSとは、資産担保証券のことを、アセットバックトセキュリティ(Asset Backed Security)、略してABSと呼んでいます。
証券化商品全体を指す用語として使われる場合と、証券化商品からいわゆるMBS(モーゲージ)やCDOを除いたローン、リース、消費者金融、企業間信用などから発生した各種債権を裏付け資産とした債券を指す場合とがあります。
ABSは、企業が保有する資産を裏付けにして発行されます。
企業が保有する債権や不動産などの資産を企業から分離し、その資産から生じるキャッシュフローを原資として発行される証券です。
資産担保証券を発行するには、複雑な手続きが必要です。
まず、資産を企業から分離するために、特別目的会社(SPC)を設立します。
企業は、資産をそのSPCに譲渡します。
特別目的会社(SPC)は、譲渡された資産を裏付けにして証券を発行し、投資家に販売します。
資産が企業から切り離されているため、元の企業が倒産などの事態に陥っても、SPCが保有する資産が健全であれば、投資家は安心して証券の支払いを受けることができます。
つまり、元の企業の信用力ではなく、対象資産の信用力に対して投資される証券です。
SPC(特別目的会社)を設立
↓
企業が資産をSPCに譲渡
↓
SPCが証券を発行、投資家に販売
<補足>
資産担保証券(ABS)の2001年度の発行額は3兆5500億円となり、前年に比べて25%増加しました。