ファンドトラストとは、信託銀行が顧客から資金を預かり、公社債や株式で自由に運用し、信託期間が終了すると、そのまま債券・株式で返済するか、現金で返済する信託商品。
ファンドトラストは、委託者から金銭をお預かりし、指定された運用の範囲で、受託者の裁量によって、他の委託者と合同ではなく単独で運用する信託です。
通称「ファントラ」。
同様の運用形態で「指定単」という信託がありますが、「指定単」は信託終了時に信託財産が全て金銭で交付される金銭信託であるのに対し、「ファンドトラスト」は現状有姿(金銭や有価証券等)で交付できる金銭信託以外の金銭の信託である点が異なります。
ファンドトラストは、最低預け入れ金額が1億円以上の高額商品で、主に機関投資家向けに販売されました。
バブル経済による株高を背景に残高を伸ばしたが、1990年以降の株価低迷局面で多くの機関投資家が含み損を抱え、経営の圧迫要因になりました。
商品の仕組みは、信託銀行が投資家から運用資金を預かる一方、自らの判断で株式や債券などに分散投資します。
そして、信託期間が終了すると、ファンドに組み入れられている株式や債券のままか、あるいは現金で、投資家に償還します。
その選択は投資家の自由に任されます。
バランスシート上、投資家である企業が、資産として保有している株式とは切り離して株式を売買できるという特徴を持っており、そのせいもあってか、バブル期には企業財テクの中心商品になりました。