預託証券とは、企業が海外市場で、株式の代わりに発行する証券のこと。
英語「Depositary Receipts」の略で、「DR」とも言います。
外国で自社株式を売買させるための方法の1つの方法で、株券の受け渡しなどが困難な外国の投資家のために発行する証券です。
長い間、原株が取引所に上場されていない外国企業の預託証券を個人投資家が購入したり、外国企業の預託証券を国内の取引所に上場することはできませんでしたが、個人による購入は規制緩和で可能になりました。
上場についても、その後、認められました。
日本企業では、ソニーが初めてニューヨーク証券取引所に預託証券を上場させました。
海外市場で株式を上場する場合、日本の証券取引所で売買されている株式をそのまま上場することは、海外各国の法制度などの面で困難がつきまとう場合があります。
そこで、株式をそのまま上場するのではなく、現地の銀行や信託銀行などに株式を預託し、その株式の権利を表した証券を発行して、それを海外の証券取引所に上場するという方法が取られることがあります。
この証券が「預託証券」です。
預託証券が発行される市場によって、米国預託証券(ADR)、欧州預託証券(EDR)、ドイツ無記名証券(GBC)などがありますが、なかでもADRが最も有名です。