エンジェルとは、ベンチャー起業家に、資金を提供したり、経営の助言をしたりする個人投資家をいいます。
<エンジェルとはどんな人か>
欧米におけるエンジェル像の実態調査によれば、平均像は50歳前後で、起業経験があり、1億円程度の資産を保有している男性になります。
アメリカでは、エンジェルはベンチャー企業の育成に欠かせない存在として位置づけられています。
一般にスタートアップ企業は、担保や信用が不足しているため、銀行融資は受けられないからです。
また、ベンチャー・キャピタル(VC)ファンドの資金源の大半は機関投資家で占められ、年々金額規模が大きくなっているため、投資先もある程度成長した企業が中心になっています。
このため、スタートアップ企業は、銀行融資も受けられなければ、VC投資も受けられにくくなっています。このファイナンス・ギャップを埋めるのがエンジェルなのです。
アメリカではエンジェル税制と呼ばれる株式未公開のベンチャー企業への投資に対する税制上の優遇措置があり、すでに株式公開している企業のオーナーなど資産家によるエンジェルとしての活動が活発に行われていて、ベンチャー企業が育成しやすい土壌ができています。
日本でも未公開企業への投資で損失を出した時には、一定の条件のもとで損失を繰り越し控除の対象にすることができるようになるなど、エンジェルに有利な税制が導入されているが、まだ、アメリカのようにエンジェルの活動が盛り上がるほどには至っていません。