クオンツとは、高度な数学的技術を使って有価証券投資を分析する人、またはその行為のことをクオンツと言います。
Quantitative(数量的)という英単語から派生した用語です。
本来クオンツとは、コンピュータによる計量分析的手法を用いて金融・証券分析を行う人のことをさす言葉ですが、わが国では広く計量分析的投資方法全般(Quantitative Analysis)を指す言葉として用いられています。
クオンツという言葉が登場したのは、ロケット・サイエンスなどに携わった理数系出身の人たちがファイナンス分野に進出した1980年頃からで、その本質は、単純な統計的手法から高度な投資理論を用いるものまで、可能な限り計数的、合理的に分析しようとするところにあるといえます。
こうした計量分析的手法は、多くのデリバティブ商品を生み出し、年金資産運用などの実務面でも不可欠のツールとして広く採用されています。
なお、計量的分析に対するのが定性的分析(Qualitative Analysis)で、経営者の資質や従業員のモラール、総合的技術力、製品のブランド、企業の信用力、企業カルチャーなど、主として計数処理になじみにくい分野の分析を行うアプローチです。
<ポイント>
クオンツ運用は株価を変動させるさまざまな要因や過去の株価の変動、業種間の分散などの統計データをもとにした数学的手法を用いるわけですから、資産を運用する人間の主観、相場感を排除した機械的な運用方法といえるでしょう。
<補足>
クオンツを投資判断材料として、銘柄を選定したり運用を決定していくことを『クオンツ運用』と言います。