ABCPとは、企業が短期資金を調達する際に、売掛債権や貸付債権を担保に発行する資産担保コマーシャルペーパーのこと。
ABCPとはAsset Backed Commercial Paperの略称であり、売掛債権等の金銭債権を責任財産として特別目的会社により発行されるコマーシャルペーパーのことです。
日本では、90年代に入ってから本格的に広がりを見せ、現在では、大手銀行の大半が独自のABCPプログラムを複数個保有するに至っています。
仕組みとしては設立母体(スポンサー)が連結対象にならないSPCを設立し、SPCが金融資産の種類や条件を決めて、これを裏付けとしたCP(コマーシャルペーパー)を発行して資金を調達する。
このような仕組みを格付機関と擦り合わせた上で、売掛債権取得の前から予めCPの発行に対して高い短期債格付を取得し、以後売掛債権発生の都度CPを逐次発行して資金調達していく。
【関連語】
<SPCとは>
SPCは商法上の会社ではなくて、平成10年に施行された「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」に基づいて設立される社団法人のこと。
商人とみなされる。
<特色>
@商法上の株式会社と比較して組織・資金面で簡素化しているが、内閣総理大臣の登録を受けなければ、特定資産の流動化に係る業務を行なうことが出来ない。(法第3条)
A業務が「特定資産の流動化」に係る業務及びその附帯業務に限定され、他の業務を営むことは出来ない。(法第142条)
B特定資産の管理、処分は、適切な受託者に委託しなければならない。(法第144条)
C借入れの制限
SPCは、資産流動化計画にあらかじめ定められた方法に基づき資金の借入れを行なう場合その他総理府令・大蔵省令で定める場合を除き、資金の借入れを行なってはならない。(法第151条)
D処分の制限
SPCは、資産流動化計画に定められたところによる場合を除き、特定資産を貸し付け、譲渡し、交換し、または担保に供してはならない。(法第152条)